一 級建築士事務所   林建築設計工房

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金 沢ワイナリー

 

2018年オープン!

街中のワイン醸造所+フレンチレス トラン「ア・ラ・フェルム・ドゥ・シンジロウ」


ショップサイトはこちらよりどうぞ

 

 

 

 

 


  まちなかのワイン醸造所
  『1×2×3=6 』
第6次産業を知ってますか?第1次産業である農業や漁業が製造、加工(第2次産業)と販売(第3次産業)をすることを 1×2×3=6で、6次産業化と呼びます。農林水産省の6次産業化支援を受けた(株)金沢ワイナリーは、ブドウ生産、ワイン製造及びレス トラン運営を行い、グループ会社も米や野菜などを生産し、加工販売も手掛ける農業を基幹とする事業を展開してい ます。ワイナリーは郊外 の広大なブドウ畑のそばのイメージがありますが、ここは街中です。自然豊かなブドウ畑を見ながらのワインも良いですが、ここではふらりと 町を散 策しながら手軽に醸造所に立ち寄り、地元産のブドウで造られたワインが楽しめます。街並みを整えながら賑わいを加えつつ、農業の活性化を目指す、それがコンセプトです。レ ストランを併設しており、地元産の食材に合わせて楽しむワインも格別で地産地消にも一役買っているの ですよ。

『改修の条件 』
この町家は大正初期に建てられた住宅で、築100年超の古家でした。改修の条件としては、1階に柱のない空間を設け、通年15度程度の室 温を保てるワイン醸造と貯蔵ができること、2階にフレンチレストランを設けること、農水省他補助事業に相応しい根拠を持った設計と品質の 確保された工事とすることでした。

 

 


『通年室温15度 』
ワインの品質を保つには、温度環境が重要で、ワイナリーの室温を保つ為に産業用エアコンに設置し、壁にはア ルミ箔遮熱シートと現 場発泡ウレタンフォームで遮熱性と断熱性気密性を加えています。

 

 

 

 

 

 

 


『構造補強 』
改修前は小さな部屋に分割され柱も多く、醸造所やレストランとして使いやすい間取りではありませんでした。1階の柱を抜き構造補強 を行い、耐震化を確保しています。また、1 階の柱数が減少することで2階の柱も自ずと減り屋根加重を支える柱が不足する為、基礎を設け、2ヶ所の木造の補強フレームを基礎より 2階床を突き通して屋根まで設けることで積雪と屋根瓦等の加重を負担しています。補強フレームはレストラン天井の露出された小屋組と一 体となり、耐震壁は木格子を一部採用し、格子越しに内部を覗える透視性のあるものとしています。構造補強でインテリアに個性を加えること ができたのではないかと思っています。


『葡萄畑の土壁 』
フレンチレストランは、ワインと自社農場の野菜等の提供し、事業情報の発信基地の位置付けです。自社葡萄畑の土を左 官材として採取し、壁 の一部に自然の土色で能登の自然を描き、オーガニックな演出をしました。建具は組手腰や片面取りの格子、隅丸額などの技術を用いてい ます。伝統的な職人である左官屋と建具屋、大工達が造ったフレンチの空間です!

 


『改修を終えて 』
町家の改修といっても様々であり、 昔のままを求められる場合もあれば、そうでない場合もあります。この建物のように、外観やインテリアは昔の雰囲気を残したいが、性能や使 い勝手は用途に相応しい現代的なものがいいというのが、要望として少なくありません。伝統の建物に現代設備の設置に加え、構造補強による 無 柱空間をつくることで、この建物は、活用の幅を増やすことができました。現代都市の要請に応えながら、街並みを整えた一 例です。地域の野菜で作った格別な料理と自社醸造美味しいワインが楽しめます。是非お立ち寄りください!

 

 

 

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