観音坂の町家
観音院の参道に寄り添うように建つこの町家は、大正9年(1920年)に建てられた。長き風雪に耐え、老朽とは正しくこのことかと感じさせるほどの体裁ではあったが、大正時代の好景気を感じさせる艶のある趣や崖地に建つ様は独特の威風さえ感じるものでもあった。この町家を生き返らせることが、この度の使命であった。単なる修繕に留まらず、性能や機能を高め、魅力を加えることで価値を増し、代え難いものとして、この地に存続するのである。そこには人の繋がりがあり、街を慕う思いがある。掛け替えのない大切なコンテクストがある。 | ||||||||||||||
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